竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
4.ミレイナ、ペットブランドを立ち上げる

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 心を落ち着かせるにはいつものルーチンワークをこなすに限る。
 そうすれば動揺した心もあら不思議、たちまち──。

「ねえ、ミレイナ。この前の舞踏会はどうだったの?」

 魔獣舎を掃除して集めたごみを捨てようとしていたミレイナは、リンダに話しかけられて持っていたちりとりをぼとりと落とす。

「え、ミレイナ。ちょっと大丈夫?」

 驚いたリンダが周囲に散らばってしまったごみを集めようと腰を屈める。

「ご、ごめん!」

 ミレイナも慌ててもう一度ごみを集め始めた。

(だめだわ。全然落ち着かない!)

 ミレイナはがっくりと頭を垂れる。

 ──貧しい平民の女性はある日王子様に見初められ、いつまでもいつまでも、幸せに暮らしました。

 そんなおとぎ話は世の中にごまんと溢れているけれど、いざ自分の身に起きるとなると話は別だ。

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