竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
 自分ばかり食べていては、なんだか申し訳ない。

「遠慮せずに食べろ。食べさせてやろうか?」
「え?」

 ジェラールはミレイナの皿に乗ったスノーボールクッキーをひとつ摘まむと、それをミレイナの口元に寄せた。

「陛下、大丈夫ですから」
「いいから、食べろ」

戸惑いながらもそれをぱくりと口に入れる。もぐもぐと咀嚼すると、口いっぱいに甘い味わいが広がった。

(あ、ジェラール陛下の指が……)

 クッキーにまぶしてあった粉砂糖のせいでジェラールの指先が汚れていた。
 ミレイナがハンカチを手渡そうとする前に、ジェラールは自分の指をちろりと舐める。

「甘いな」

 口元から除いた赤い舌が妖艶で、目を離すことができない。
 無性に気恥ずかしくなり、ミレイナは視線を彷徨わせる。

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