片桐兄妹の言うことにゃ

藍がすぐに出てくる。

「おーす」
「お前、階段おりて来た?」
「いや、バイク下りてきた」

千治はしれっとすぐ傍に停めたバイクを指した。藍は何度か頷き、まあ良いかと疑念を放棄した。

「行きながら話そうぜ」
「了解」

ぽーんと千治は藍にヘルメットを放った。
二人はバイクに乗り、アパートを出て行く。

バイクの音が遠ざかり、燐は立ち上がる。

千治が余計なことを藍に言わなければ良い。
学校に行っていないこと、等。

知られたところで、理由を尋ねられるだろう。それからが面倒だ。言わなければ調べられるかもしれない。

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