片桐兄妹の言うことにゃ

いや、良いわけあるかい。
燐は遠い目をしながら、火を止めた。

ちょうど玄関の扉が開く音。
リビングに藍が現れる。

「ただいま、腹減ったー」
「焼きそば」
「またか……安売りだろ……」
「三食78円だった」
「明日は餃子にしようよ、餃子パーティー」

円香の意見は採用された。

三人で座卓につき、焼きそばを頬張る。

「そういえばこの前、円香の妹見た」
「へえ、万引とかしてなかった?」
「いや普通に道を歩いてたぞ」
「あの人、私立入れられてキレてたから」

他人事のように円香は語る。藍はへー、とそれをまた他人事のように受け止める。全員、他人なのだが。

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