片桐兄妹の言うことにゃ
存在
中学の半分は保健室登校だった。
現在と殆ど同じ理由で人間関係に不和が生まれ、面倒くさくなって保健室にだけ行っていた。
それが出席にカウントされていたかどうかは分からない。
彼氏を盗られたとか、好きな男が燐に惚れたとか、そういうことが前からあった。誰かが言うと周りが騒ぎたてる。その一連の流れにうんざりしていた。
友達も勉強も興味がない。学費を払うくらいならば辞めたい。
燐の中でそれが明確になっていく。午前中の公園のブランコに乗りながら、考えた。
キィ、と金属が音を立てて止まる。ふと正面を見ると男の姿があった。