片桐兄妹の言うことにゃ
千治に見つかったので、アパートの二階で待つのは止めた。近くの公園で時間を潰していたら、あのザマだ。
燐を捜したのか、それともまた目に留まったのかは分からない。しかし、絡んでくるのは目的があってだろう。
色々とムカついて言ってしまったが、あの後特に追いかけられも、殴り込みにくることもなかった。
「ただいまあ」
珍しく先に藍がいるらしく、玄関の明かりがついている。下に目をやると、靴が二つ。
ぱっと部屋の奥に視線を向けた。
「ん、おかえり」
藍が箸を上げて返す。座卓の上にホットプレートが乗っていた。