片桐兄妹の言うことにゃ

藍がいるので今は安全だろうが……。

リビングへと戻ると、千治が座卓に向かっていた。
燐のご飯と箸が用意されている。

「……いつ帰るの」
「いやさっき来たとこ」
「お前らどこでそんな仲良くなった?」
「全然良くない」

言いながら座り、既に味付けされている肉を焼いていく。端に追いやられ焦げ始めた玉ねぎを千治の取皿に乗せた。文句も言わず、それを頬張る千治。

最初に会った頃と接し方が違いすぎる。

藍は二人を見ながら思うが、口には出さないでおいた。

「のーちゃんとらーちゃん来た?」
「飯食ってどっか行った」

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