片桐兄妹の言うことにゃ
その言葉に眉を顰める。
「どこの誰かも分からないひとを?」
「いや、お前の高校の制服着てたぞ」
藍の横からその姿をみるが、着てるのは見たことのあるダサTと見たことのあるスウェットパンツ。
「お兄ちゃんのダサい服着てる」
「ダサいは余計だけど、確かに今は着てない」
「てゆーか、同じ高校だからって知ってるわけないじゃん」
「それもそうか。千治、コーヒーいるか?」
こちらの話を飛び越えて、藍は男の方へ質問を投げた。千治と呼ばれた男は手を挙げて肯定する。
「お前は?」
「いらない」
燐は即答した。