片桐兄妹の言うことにゃ
たまに一般人が巻き込まれることもあるが、千治は暴れていた側、つまり巻き込んでいた側だ。
それを聞いて、尚更何故家に連れてきたのだと燐はマグカップを置いた。
「霞千治、俺と同い歳だっけ?」
「あーでもダブってるから二年」
「そうそう。燐と同じ高校」
「へー」
視線は燐へ向けられたが、口を閉ざしたまま。
藍の陰に半分隠れる。
千治はそれを見て半笑いだった。警戒心が強いのか、怯えているのか。
「片桐燐。妹」
特別気にせず、藍は他己紹介をする。
「二人で住んでんの?」
1DKの間取り。キッチンのある部屋の隣は先程、燐と千治が寝ていた和室。