片桐兄妹の言うことにゃ
平日の昼下がり。並んで食べるうどん。
「うまい」
「近くの業務スーパーで安いの。国産讃岐」
うどん自体もそうだが。味が丁度良い。
言われないことに燐が気付くはずもなく、冷凍うどんの素晴らしさを語った。
食べ終えた後、自然とシンク前に立って洗い物をする千治に驚き、そのままにさせた。燐は漸く顔を洗った。
学校に戻りそうもない千治が横でテレビをぼんやり見ている。
「はるちゃんは、なんで」
千治の視線が燐へと向く。
「薬の出処が知りたいの」
尋ねるにしては語尾が上がらなかった。千治は腕を燐の首にかける。