片桐兄妹の言うことにゃ

千治は燐を見た。

「お前、頭良かったんだな」
「は?」
「それに気付くとは」

ぽんぽんと頭を撫でられ、燐はそれを払った。
気にせず千治は一台の自転車の鍵を回す。

「鮫貝冬馬は片桐藍の右腕だ」
「……え」
「でもお前はそれを知らなかった。冬馬もお前と話したことも無かった。どうしてか」

ガシャン、と自転車を出して鞄をカゴに投げ入れる。
燐はそれを見ていた。

どうしてか、考えていた。藍の腹心を知らなかった理由。その腹心と交流が無かった理由。

「あいつは何か隠してんだよ、お前に」

千治はサドルに跨り、緩く漕ぎ出した。

< 91 / 91 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

a Piece of Cake.
鯵哉/著

総文字数/35,145

恋愛(純愛)135ページ

マカロン文庫大賞2024エントリー中
表紙を見る
骨の髄まで
鯵哉/著

総文字数/22,449

恋愛(オフィスラブ)87ページ

表紙を見る
ダークチョコレート
鯵哉/著

総文字数/8,984

恋愛(オフィスラブ)35ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop