突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
『有!誕生日おめでとう!これで私よりひとつオヤジになったね!』


バカだな。

1ヶ月もすれば
すぐに追いつくって言うのに。

だけど
そんなキミのおかげで
いつの間にか誕生日なんかを祝われるようになったんだ。


両親は仕事ばかりで
一緒に祝うことなんて、ほとんどなかったし、

義務のように机の上に置かれただけのプレゼントだって、無意味だった。


家を出てからも
女の子たちと過ごすのは好きだったけど

誕生日を祝われるのが不快で
むしろいつもあえて、会う予定を入れないでいた。


だけど杏奈と住むようになってたから
みんなでお祝いをするのが当たり前になってたんだ。


ひま…


両親に見捨てられたと思って
生きている君にとっても
誕生日なんてナンセンスだよな。

君と俺は似てる。

だから
杏奈が俺にしてくれたように

これからは俺たちが、ずっと祝ってやれたらいいのに…。
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