突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
俺と杏奈は
両親が大好きだった。

父さんも母さんも
いつも仲が良くて、いつも笑顔が絶えなかった。


二人はいつでも俺たちのことを考えてくれていたし、
だからこそ俺も家族を幸せにしたいと思っていた。


「ちょっと出かけてくるわね。」


いつものように仲良く二人で出かけたまま
もう戻らなかった。


交通事故だった。


後続車に追突されて、
車が炎上するひどい事故だったらしい。


二人に対面した時は
もうすでに息を引き取っていて

杏奈は泣き崩れ、俺はただ呆然とその後ろに立っていた。


「蓮兄、カレー食べたい。ママの作ったカレー…。」


杏奈は初めて俺が作ったカレーを泣きながら
食べていた。


「美味しい。ママと同じ味がするよ。ありがとう。」


絶対そんなわけないのに
杏奈は満面の笑みでそう言ったんだ。


杏奈はそれ以来、俺の前で絶対に泣かなかった。


だから俺は絶対に妹を幸せにする。
そう決めたんだ。
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