突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
「終わった、終わった〜
あ、ひま、煙草買っといてくれた?」


先に出てきた有に頼まれていた煙草を渡した。


「ひまって呼ばないで!仕事中は杏奈さんなんだからっ!」

「あれ、なんか怒ってる?」


有は私の前にくるっと回り込むと
顔を覗き込んだ。


「有のお知り合い(・・・・・)の方が
よろしくだって!」

「えー誰ぇ。」


杏奈さんの代わりにならなきゃいけないだけでも
神経を使うのに、変なことに巻き込まれるのはまっぴらごめん。


「たくさん居すぎて分からないだけでしょ。」


有は確かに、みたいな顔で笑いながら
喫煙所に消えて行った。


「ほんと、軽いんだから。」


でもあんな綺麗な人に牽制されるくらい

杏奈さんと有は
それだけ仲が良かったってことだよね。


あんな風に私に接してくれているけど

きっと…
本当はすごく淋しいよね。
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