突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
バン!


思わず湯船からあがると
洗面所に飛び出した。


純大は驚いて、背中を向けたまま、固まっているように見えた。


気にせず着替えを続けた。


こんな事して、
もっと嫌われたらどうしようか。


「…なんか怒ってる?」


その背中はまだ私に背を向けたままだ。


「…」


私はなぜか、その背中に触れたくて
どうしようもなかった。


(ジュンちゃん…)


なんなんだろう、この渇望するような気持ちは…

思わず手を伸ばすと、そのまま彼の背中に身体を寄せてしまった。


トクン


自分の心臓の音なのか
彼の音なのか


最初に手を握られた時みたいに温かい…。



この温もりを離したくない。



ようやく振り返った彼の顔を見たら
分かってしまったんだ。


そうか。
私、この人のことが好きなんだ。

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