突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
「杏奈が…」


有は深くため息をついて、天を仰いだ。

天といっても
そこには地下の無機質なパイプやコンクリートが広がっていた。


「蓮兄探してたのか…。」


兄貴としては当たり前か。

俺たちに言わないのは身内の問題で
心配をかけたくないから。


蓮兄らしい…か。


「杏奈さん、見つかったの?」


心配そうに見上げるひまりを
連れて、外に出た。


「分かんない。何も教えてくれなかった。」


こんな日に限って
月がこんなにも綺麗なんだ。


「杏奈がもし彼女だったら…何かしてあげられたのかな。」
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