突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
新幹線は静かに走る。


景色だけが速い速度で駆け抜けていくのに
走る音はものすごく静か…


ひまりは新幹線に乗るのは初めてだった。


「杏奈、これ食べる?」


後ろの席に座っていた純大が手を伸ばして
小袋に入ったお菓子をくれた。


「ありがとう。」


純大は意外にも外では間違えずに私を杏奈と呼んで、
必要以上にくっついて来たりしなかった。


きっと杏奈さんとの距離を再現しているのだと思った。


私は好きがダダ漏れして
及川さんにもバレちゃったし、ダメだな。


もっとちゃんとしなくちゃ。
純大を見ても、ヘラヘラしないぞっ!


気分をとりなおして、お菓子を食べようとすると袋に付箋が貼ってあることに気づいた。







『夜、俺の部屋おいで。』


「…/////」


もうその一筆だけで、さっきの決意が
吹っ飛びそうになってしまった。
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