突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
「2枚入っています。お代は結構です。」


吉沢杏奈は封筒に入ったチケットを
両手で手渡すと、丁寧に頭を下げた。


「その代わりではないのですが…、彼女の件だけお願いします。」

「…ありがとうございます。新しい情報が入ればご連絡しますね。」

「…よろしくお願いします。」


遠慮がちにこちらの様子を伺っているのが分かる。

やはり、まだ里美を探しているのか。


となると、本気で彼女を探しているのかもしれない。


なぜ?


その理由はまだ分からないままだ。




その足で、チケットを持って久しぶりに晴人に接触した。


「仕事関係でもらったんだ。気分転換に彼女と行ってきたらどうか?」

「Sunrise…?誰っすか?」

晴人はポカンとした表情でチケットの裏表を確認した。


これは一種の賭けだった。
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