突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
三人は気づいただろうか…?


彼らには小池さんにチケットを手配したことは話していなかった。


というか忙しすぎて、前日は会えずにいた。


ステージ上の彼らはいつも通りのパフォーマンスを見せている。


どうしよう…
彼らに話すべきだろうか。


彼らは花道を周りはじめていた。

こっちのステージに戻ってきたら…伝えよう…。


ゴトン


そう思っていた時
有が持っていたマイクを床に落とした。


杏奈…?



有の口がそう言っているように見えた。

やはり、その視線の先は小池さん用に手配した座席だった。



有は曲の途中にもかかわらず、花道から飛び降りると、機材用の通路をすごい勢いで走り始めた。


「有!」


何が起きたのかと、会場はざわめき出した。


有に気を取られている間に
その座席に座っていた女性はいなくなっていた。
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