突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
あとは…



家だ。


カフェオレを飲み切ったあたりで
家に着いた。


外見からも分かる築年数のたったアパート。

ギシギシときしむ錆びた階段を上がって一番奥が
私の部屋だ。


四畳半の畳の上には1組の布団と
段ボールが一つ。

荷物なんてほとんどなかった。

もちろんテレビもない。


リサイクルショップで買った
サイズのあっていない花柄のカーテン。

数枚のTシャツとデニム、パーカーが
カーテンレールにかかっているだけ。


19歳の女の住む部屋じゃないよね。


畳に転がるといつものように天井にあるシミが目に入った。


最初は顔みたいに見えて、少し怖かった。


でも、いつの間にか眠る時に見るのが癖になっていた。


「…バイバイ。」
< 27 / 286 >

この作品をシェア

pagetop