突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
「杏奈?家?」


移動中の車の中。
3回目のコールで繋がった。


「家だよ。」


いつものトーン。
ずっと一緒にいる妹の声。


有はまだついていないのだろうか。


妹がよくない方向に進もうとしているならば

兄として止めてやらなければならない。


「杏奈…率直に聞くけど、暴力団と関係があるって、嘘だよな?」


電話越しに
ひやりとした空気が流れるのを感じた。


返事までの
その間が長く感じた。


まさかな。


「…好きなの。結婚しようと思っている。」


まさかの返答にうまく言葉が
出てこなかった。



「は?バカじゃん。なに言ってんだよ。そんなの許さないよ。」


結婚?

意味がわからない。


「今から帰るから。話はそれから。絶対許さないからな。」


返事を待たずに電話を切ると
車のシートに深く身体を沈めた。
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