突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
どれくらい経っただろうか。


とくん

とくん


正しく打つ脈の音が心地よかった。


あったかい…



「ママ…。」



瞳に残っていた最後の涙が
つーっと頬をつたった。



目を開けると心配そうにこちらを見つめる純大と目が合った。


「大丈夫?」


ようやくずっとその胸に
身体を預けていたことに気づいた。


「あ、ご、ごめんなさい。」


慌てて身体を離すと、純大は気まずそうに
私を支えてくれていた手を引っ込めた。


その瞬間、頬に冷たいタオルが当てられ、
振り返ると有が笑っていた。


それは、本当にひんやりと心地よかった。
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