蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「それではもう出来ますよね?」
私の話を話を聞いた柚瑠木さんから逆にそう問いかけられてしまって、彼が何の事を言っているのか一瞬理解することが出来なかったのです。
「え、あの……出来るって何をですか?」
私がそう聞き返すと、柚瑠木さんは私の頬に添えていた指で今度は私の耳朶を軽く引っ張りました。そんな事をされるとは思っていなかったので、私は驚いてしまって……
「ゆ、柚瑠木さん、いったい何を……!」
「月菜さんは時々僕の話をちゃんと聞いていないようなので。」
柚瑠木さんの話はちゃんと聞いています!ただ、ちょっとだけ鈍感で話についていけていないのは認めますけれど。
「そんな事ありません、柚瑠木さんがちゃんと説明してくれれば私だって……」
「……月菜さんは香津美さんからアドバイスをもらったんでしょう?ですからそのアドバイスを参考にして、今から僕に甘えてみせてくださいと言ったんです。」
柚瑠木さんは小さな溜息をついた後で、私のさっきの言葉の意味を教えてくれたんです。だけど……
「今すぐに、ですか?でも、まだ……」
確かに香津美さんからアドバイスはしてもらいましたが、私はまだ柚瑠木さんに甘える内容までは考えていなかったんです。
だからもう少し時間が欲しかったのに、そんな私に柚瑠木さんは……