蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「宿題に合格点があるのですか?じゃあ私はいったい何点を取れば……?」
だって柚瑠木さんはそんな事は言っていなかったじゃないですか。自分では頑張って彼に甘えたつもりだったのに「もっと甘えて」だなんて……
こんな展開になるなんて予想もしてなくて、私に冷静になる時間もくれない柚瑠木さんをちょっとだけ意地悪だと思ってしまいました。
「そうですね。では僕が月菜さんに甘えられている、頼られていると実感出来るまでにしましょうか。」
しましょうか、って……それって合格点をたった今、考えたっていう事ですよね?
それに柚瑠木さんが実感出来るまでって、そんな事を言われても私が柚瑠木さんにどれだけ甘えれば合格点を貰えるのかもわかりません。
「ほら、早くしないと月菜さんと希子さんが作ってくれた夕飯が冷めてしまいますよ?」
そう言って私を急かす柚瑠木さん。こんな意地悪な彼の一面にも、胸をときめかせてしまう自分がいて……
でも早く合格しないと、せっかく希子さんが作ってくれた夕食を温かいうちに食べてもらえなくなってしまいます。私は昼間の香津美さんのアドバイスを一生懸命思い出して……
「柚瑠木さんと一緒にスポーツがしてみたいです。それに貴方と二人でドライブにも行きたい。柚瑠木さん……もうすぐ誕生日なんです、私。」
「……知っています。」
そうなんですね。柚瑠木さんが私の誕生日を覚えてくれていたこと、ちょっとだけ嬉しいです。
「その日を……柚瑠木さんにお祝いをしてもらいたいんです。」