蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
いつの間にか私の後頭部に添えられていた柚瑠木さんの手が、私の逃げ道を奪いでしまっていて……驚きはしましたが、私には大好きな彼に抵抗する事など出来るわけも無くて。
ただ柚瑠木さんからのキスに必死で応えているつもりだったんです。
ですが……私の唇を、柚瑠木さんが突然舐めたりするから。私は驚いて、彼の胸を強く押してしまって……
「あの、柚瑠木さんは何を?」
「……嫌、でしたか?僕がもっと月菜さんとの関係を進めようとするのは。」
私が柚瑠木さんから距離を取ろうとしたのを見て、彼は少し表情を曇らせました。ちゃんと頑張ると言ったのに、思わず逃げてしまったことで柚瑠木さんを傷付けてしまったのかもしれません。
「嫌なんかじゃありません、私も……そう望んでます。だけど、柚瑠木さんが急に唇を舐めたことに驚いてしまって。」
そう言った私を、柚瑠木さんは少し驚いたような顔をして見ていて……私は、また何か変な事を言ってしまったのでしょうか?
「……そうなんですね、でも怖がらなくて大丈夫です。月菜さんは今は僕の事だけ考えていてくれればいいんですから。」
そう言った柚瑠木さんの指先が私の唇に触れて……そうして、少しづつ口内へと侵入してきます。彼はいったい何を……?
「……だから大人のキスを、しましょうか?」