蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
大人のキス、ですか?今、私と柚瑠木さんのしているキスはそうではないのでしょうか?違いが分からず戸惑う私に柚瑠木さんは……
「僕が教えてあげます、だから月菜さんは僕がさっきのように合図をしたら……」
内緒話をするように耳元で小さく囁かれて、私はコクコクと頷きました。そんな私の事を柚瑠木さんは満足そうな表情で見つめた後、今度は私の額に口付けてきました。
額から頬へ、そこからまた少しずつ移動しながら振ってくる柚瑠木さんのキスの雨。そんな優しいキスにうっとりしていると、彼の唇が私のソレに重なりました。
先程と同じように軽く啄むようなキスから、しっかりと重ね合わせるようなものに変わり……そして、柚瑠木さんがもう一度私の唇を舐めました。
これが【合図】のはず。だから私は、さっき柚瑠木さんに言われたようにゆっくりと口を開けたんです。
その瞬間、私の口内に侵入してきた生暖かい何か……それが柚瑠木さんの舌だと気付いた時にはもう遅くて。今度は逃がさないと言わんばかりに彼は私の背中に回した腕に力を込めて……
「んっ……んんーっ……!?」
容易く私の口内に侵入してきた柚瑠木さんの舌は、私のそれにねっとりと絡みつき離れてくれなくて。背中がゾワゾワする感触に戸惑い、私は彼の上着をギュッと握りしめました。