蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~


 それから少しして、この家にやって来られた方は年配の女性でした。使用人と聞いていましたが、もっと若い方だと思っていたので少し驚きました。

「この家の事を手伝っていただく(やなぎ) 希子(きこ)さんです。もし困ったことがあれば彼女に相談してください。」

 柚瑠木(ゆるぎ)さんがそう言うと、希子さんは私を見てにっこりと微笑んでくれました。

「初めまして、柳 希子と申します。奥様、これからよろしくお願いします。」

 柔らかな雰囲気の感じの良い女性で安心しました。私は希子さんみたいな年上の女性の方の方が話しやすいので助かります。

「初めまして。二階堂 月菜(つきな)と申します。これからお世話になります。」

 挨拶を終えると希子さんはすぐにお仕事を始められ、もう少しお話をしたかったけれど柚瑠木さんのことが気になり話しかけれませんでした。

 希子さんの作っていただいた食事を終えて、彼女が帰ってからお風呂に入りました。広いお風呂は二人くらい簡単にはいれそうでした。
 ゆっくりと身体を温めてリビング戻ると、柚瑠木さんがゆっくりと私の前へと歩いてこられました。そして……

「月菜さん、今夜は寝室で僕の事を待っていてください。」

 ああ。他の事ばかり考えていて、すっかり忘れていましたが……どうやら今夜、私は柚瑠木さんと新婚初夜を迎えることになりそうです。


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