蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「だって、それは柚瑠木さんが……!」
何か言い返そうとしても焦りで上手く言葉が見つからず、私は恨めし気に柚瑠木さんの事を見つめることしか出来ず……
「ええ、そうですね。僕の所為で月菜さんがそうなってくれると思うと嬉しくて、調子に乗ってしまいました。でも、お腹も空いてきましたしそろそろ晩御飯にしましょうか?」
そう言われて私がテーブルの上を見ると、そこには手つかずの夕食。どうやら柚瑠木さんは食事もとらず私を迎えに来てくれたいたようです。
「わざわざ、私の事を待っていてくれたのですか?」
「月菜さんだっていつも僕の事を待っていてくれたでしょう?貴女と結婚して、僕の中で夕食は二人ですることに変わったんです。」
結婚した初めの頃から私がしてきたことで、柚瑠木さんの何かを変化させることが出来ていたのでしょうか?私のしてきた努力はどれも無駄ではなかった……?
「それとも、月菜さんは僕と食事をするのは嫌でしたか?」
「そんなわけありません、一緒に食べましょう。私、すぐお料理を温めてきますね。」
私はそう言うと、急いで希子さんの作ってくれていたお料理を温め始めました。そんな私の後姿を見て柚瑠木さんが優しく微笑んでいるなんて知りもしないままで。