蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
柚瑠木さんが浴室に入って行かれたのを確認して、私は一度自分の部屋に戻りました。
彼との初夜はこのパジャマでいいのでしょうか?この下着は柚瑠木さんの好みでしょうかと、そんな事ばかりを考えてしまって。
私に出来ることは何かないかと悩みましたが、やはりここは夫の柚瑠木さんにお任せするしかなさそうです。
そっと寝室に移動して、ベッドに腰掛けました。こういう時どうすればいいのか知らない私には、寝て待っているのも何だか変に思えて……
向こうから浴室の扉が開く音が聞こえて来て、ドクドクドクと心臓が破裂するんじゃないかと思うほどです。
【カチャリ】と音がして寝室の扉が開きました。
お風呂上がりの柚瑠木さん、まだ乾ききれていない濡れた髪が余計彼を色っぽく見せています。
「どうして、電気を付けなかったのですか?」
「付けていてもよかったのですか?だって……」
これからする事を考えると、照明はつけていない方がいいのではないのでしょうか?とは言えなくて赤くなってしまった顔を俯いて隠しました。
「いえ、別に構いません。ただ念のために聞きますが……月菜さんは本当に僕が相手でいいのですか?」
柚瑠木さんは不思議な事を聞かれるんですね。私の夫は柚瑠木さんです、それなら私の相手は柚瑠木さん以外にはいないのではないのでしょうか?