蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「そうだったの、あの後柚瑠木さんと月菜さんにそんな進展があったなんてねえ。」
「俺はちょっと紅茶を用意してくる。2人はゆっくり話しているといい。」
今日は柚瑠木さんはお仕事ですが、香津美さんのお家に誘われてので一人で来てしまいました。香津美さんの夫の聖壱さんはお茶の用意をしに立ち上がってキッチンへ。
確かにあの日はとても嬉しい事がありました。ですがまた一つ不安になってしまう出来事があったのも事実で……
「はい。柚瑠木さんは私が【特別】にして欲しいとお願いしたら、応えてくれて……」
彼は迷いのない真っ直ぐな瞳で、私を見てくれていました。柚瑠木さんの妻である私が、それを疑ってはいけないと分かっているのに。
「そんな良い事があったのに、どうして月菜さんはそんな不安そうな顔をしているの?顔色だって良くないし、隠しているつもりかもしれないけれどバレバレよ。」
そんな香津美さんの言葉に、私はこれ以上自分の胸にだけでしまっておくことが出来なくなってしまって……ポロリと涙が零れ落ちてしまったんです。
「わ、私が……本当に私が柚瑠木さんの特別だと思ってもいいのでしょうか?」
「それって、いったいどういう事?」
私の言葉を聞いて、少し険しい顔になった香津美さん。夫の柚瑠木さんに言えないままでいた事を、私は香津美さんに話してしまったのでした。