蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「柚瑠木さんは、私が他の男性とそういう事を望むような妻だと思われるのですか?」
柚瑠木さんはそんな私の答えに、驚いたのか少しだけ瞳を開かれたようでした。
でも私はおかしなことは言っていないはずです。私はちゃんとその事も考えてから、彼にお返事をしたつもりでしたから。
無言で私の元へと歩いて来る柚瑠木さん、これからの事を考えると緊張しないと言えば嘘になります。
「月菜さん。本当に覚悟はできているんですね?」
私の肩に手を置いた柚瑠木さんがもう一度聞いてこられたので、私は黙って頷きました。大丈夫です、私はちゃんと柚瑠木さんの妻として彼の望む通りに……
すると柚瑠木さんにそっとベッドへと身体を押し倒されて、見えたのは寝室の天井。そして柚瑠木さんの端正な顔のアップで……
「これからこういう事をするって事なんですよ?本当に月菜さんは理解できてますか?」
そんなに何度も確認しなくても……覚悟はしていたつもりです。ですが初めての行為が怖くない訳でもないのです。
けれど柚瑠木さんがこんなに何度も確認するのは何故なのでしょうか?
「ちゃんと分かってます。もう聞いてもらわなくて結構ですから……っ!」
柚瑠木さんのために妻として私が出来ることがあれば、できるだけ頑張りたいんです。だから私は彼の首にそっと腕を伸ばしました。