蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「あの、私は……」
柚瑠木さんは今も怯えているんですね、いつか大切な人が自分から去っていくのではないかと。それでも彼は勇気を出して、何度でも私を追いかけると言ってくれる。
私は逃げません、だから安心して……そう柚瑠木さんに言いかけた時。
シュルリ、と私のワンピースのリボンが柚瑠木さんの手によって解かれて。訳が分からず目をパチクリとさせていると、彼は黙ったままワンピースのボタンを外し始めたんです。
今まで柚瑠木さんにキス以上の行為を仄めかされたことはありましたが、本当にされるのは初めてで……
「このまま月菜さんを僕のものにして、どこにも逃げられないようにしてもいい……?」
まるで子供のように、私に強請る柚瑠木さん。そんな顔を見せられて嫌だなんて言える訳がないじゃないですか。でも、それで柚瑠木さんが安心できるのなら……私はそう思って彼に両手を広げてみせました。
「いいですよ、私はもうとっくに柚瑠木さんのだけのものなんです。でも、ちょっとだけ怖いので優しく……んっ!」
言葉の途中で荒々しく塞がれた唇。呼吸もするのを忘れてしまいそうなるほどの激しいキスを受けて、私はいつの間にか柚瑠木さんの首に腕を回していました。