蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
柚瑠木さんにそんな事を言われてますます熱くなる私の顔、一生懸命両手を当てて冷やそうとするけれどそんな様子も彼はジッと見ていて……
「もう、こっちを見ないでください。」
恥ずかしいのに嬉しくてにやけそうになってしまう、そんな変な顔を柚瑠木さんに見せる訳にはいかないのです。それなのに柚瑠木さんはこんな時だけ意地悪になって。
「嫌です、自分の妻を見て何が悪いんですか。月菜さんのどんな表情だって夫である僕のものでしょう?」
どうしてそんな事ばかり言うんです?どんどん甘く独占欲を隠そうともしなくなってくる柚瑠木さんに、私は翻弄されるばかりなのに。
こんな時に限って赤信号がなかなか青に変わらないのは何故?
私の答えを黙って待っている柚瑠木さんに、恥ずかしさからかろうじて聞こえるような声で返事をしました。
「……私の全てが柚瑠木さんだけのものです。どんな表情もこの心と身体も。」
そう言った瞬間、車が動き出して。びっくりして顔を上げると信号が青に変わっていた事に気付きました。
……さっきの私の言葉、もしかして聞こえなかったのでしょうか?柚瑠木さんは無表情で前だけを向いて運転に集中しているようで。
彼に聞こえて無くてホッとしたような、でも少し残念な気もしていたんです。だけど……