蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
いつも無表情で妻の存在にさえ無関心だった柚瑠木さんが、こうして私の為に気を使ってくれる。きっと彼なりに私に合うものを悩んで選んでくれたのだと思うと嬉しくて……
本当はもっとゆっくりしたかったけれど、柚瑠木さんに「待たせないで」と言われたことを思い出し湯船からあがる事にしました。
濡れた身体を丁寧にバスタオルで拭いて長い黒髪を束ねると、柚瑠木さんがくれたボディクリームを手に取りました。蓋を開けると控えめだけどふんわりと花の香りがして……
「こちらも、いい香りです……」
手に取るとポイップのように滑らかなクリームで、腕に塗ってみると肌にスッと馴染んでいくような気がしました。香りを楽しみながら全身のケアを終えると、持ってきた下着を身に着けて鏡で確認します。
「これでは子供っぽいでしょうか……?」
私はあまり凹凸のある身体つきではないので、セクシーな下着は付ける勇気が無く白のシンプルな下着を選びがちです。その中でもこれはレース付きのお洒落な物ではあるのですけれど。
今度、香津美さんに一緒に選んでもらった方がいいでしょうか?それとも、夫である柚瑠木さんと一緒の方が……?
少し考えて頭をブンブンと振ると、顔の手入れをして髪をしっかり乾かしました。なんだかんだでいつもの倍近く時間がかかってしまったかもしれません。
私は大きく深呼吸すると、バスルームを出て柚瑠木さんの待つリビングに戻りました。