蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
けれど彼にどう思われていようと、私は柚瑠木さんの妻なんです。大切な夫を守りたい、そう思ってもいいはずでしょう?
それなりに危険なことは覚悟はしていました、だけど……
『香津美!いったいどうした!? 』
「待って聖壱さん、今、月菜さんが……」
狭山常務はスマホを拾い上げもう一度私に差し出しました。今度はさっきのような嫌な笑みを浮かべていません。
……狭山常務の事はとても怖いです。けれど私は自分の意見を変えるつもりはありませんでした。
「これが最後です、よく考えてごらんなさい?」
「……いいえ、私の考えは変わりません。私は夫の柚瑠木さんの事を一番に優先します。」
声が震えてしまいましたが、きちんと自分の気持ちを言う事が出来たと思います。
柚瑠木さんのことを考えると、怖くて普段は出来ない事も出来るんじゃないかと思えます。傍にいてくれている香津美さんも、私に勇気をくれますし。
ですがわたしが反抗的な態度をみせると、狭山常務は激怒し手を振り上げて……!
「この生意気な小娘……!」
早く動いて避けなければいけないのに、身体は少しも動きません。そんな震える私の前に香津美さんが飛び出し、狭山常務から私を庇おうとしてくれて……!