蜜溺愛婚 ～冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない～
「それは……どういう意味なのでしょうか？」
柚瑠木さんからの質問の意図が分からず、私は彼の問いに上手く答えることが出来ませんでした。
私と柚瑠木さんの交わした契約には「決して離婚はしない」という決まりもあったはずで、今更そんな質問をされるとは思ってもいなかったのです。
もしかして私は今回の件で柚瑠木さんに呆れられ、これ以上２人の結婚生活を続けていくことは難しいと判断されてしまったのでしょうか？
仕方ないという気持ちと、そんなのは契約違反です！という相反した感情にグルグルと心の中を乱されます。
私は今まで一度だって柚瑠木さんから離れることを望んだことなどないのに……
確かに私はちっとも柚瑠木さんの役に立てていない妻です。けれど自分なりに努力して、少しでも彼に必要とされる妻になろうと思っていたのですが。
「やはり私は柚瑠木さんの隣に、相応しくないという事でしょうか？」
容姿だって香津美さんの様に大人っぽい美人でもないです。性格も真面目しか取り柄が無く不器用ですが、前向きに頑張ってきたつもりでした。
それなのに……
「いいえ、僕が言いたいのはそういう事ではありません。貴女が僕の妻でいれば、今日の様に怖い思いをすることもあるかもしれない。それでもまだ僕と契約結婚を続ける気があるのか……もう一度月菜さんの気持ちを確認をしたいんです。」
