蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「柚瑠木さん。もしかして契約結婚をしているのは私達だけではなく、狭山さんと香津美さんも同じという事でしょうか?」
柚瑠木さんの言い方だと、香津美さんも私と同じような立場という事なのでしょうか?
けれどあの時の香津美さんは怯えることしか出来なかった私と違って、少し落ち着いて行動していたようにも見えたので……
「香津美さんと聖壱も確かに契約結婚です。ですが聖壱は全てを彼女に話しましたし、香津美さんは囮の件も全て納得して引き受けました。彼らはきっとこれから本当の夫婦になるのでしょう。」
狭山さんは香津美さんに全てを話して……じゃあなぜ柚瑠木さんは私に何も話してくれなかったのでしょうか?
分かってます、私は柚瑠木さんにそこまで信頼されていないという事でしょう。でも、柚瑠木さんに頼まれれば私だって……
「本当の、夫婦……ですか。」
それはハッキリと自分達と狭山さん達の関係は違うのだと言われたようで、凄くショックでした。私達だけがこの先もずっと契約結婚のままだと思い知らされたんです。
柚瑠木さんはそれでもかまわないのかもしれません。だけど私は……
「僕に聞きたいことがそれで終わりならば、今度は月菜さんの答えを聞かせてください。貴女は僕との契約結婚をまだ続けますか?」