蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
最初は私の聞き間違いかと思ったんです、柚瑠木さんがそんな事を言うなんて少し信じられなくて。けれど私を見つめる彼の眼は凄く真剣で、これは冗談なんかじゃないんだって分かりました。
「私が柚瑠木さんのすぐ隣で眠る……という事ですよね?柚瑠木さんは本当にそれでいいのですか?」
私はこうして柚瑠木さんに頼まれれば、彼の隣で眠ることくらいできます。けれど今まで同じ部屋で眠る事を拒否してきたのは柚瑠木さんの方なんです、彼が無理をしていないかが心配でした。
「僕の役に立ちたいと言ってくれた月菜さんの言葉が本当ならば……今夜だけは僕の隣で一緒に眠って欲しいんです。」
柚瑠木さんが私にそうして欲しいと望んでくれるのならば、私は喜んで貴方の隣で眠りますよ。結婚して初めて……やっと柚瑠木さんに必要とされたんですね、私は。
「もちろん、いいですよ。私が隣にいることで、柚瑠木さんの心が少しでも落ち着くのならば。」
重ねていた柚瑠木さんの手を取ってそっと頬を寄せました。不安な時は他の誰かの体温を感じると安心する、きっと柚瑠木さんもそうだと思ったから。
静かに目を閉じる柚瑠木さんにそのまま抱きしめられて、そのまま2人でベッドへと倒れこみました。