蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
きっと私に出来る事はそんなに多くはありません。だけど柚瑠木さんのためになら出来るだけ頑張りたいと思っているんです。
そんな私の顔をそっと覗きこんで、小さく息を吐く柚瑠木さん。私は彼の次の言葉をじっと待ちます。
「僕は本当に月菜さんの事を必要としていいんですか?それがどんな事だったとしても、貴女は受け入れると?」
柚瑠木さんは抱きしめていた手を私の頬に移動させると、そのまま彼から目が反らせないようにされました。私が本当に嘘をついていないか、信じていいのかどうかを確かめているのでしょう。
私もしっかりと柚瑠木さんを見つめ返します。何度でも、信じられるまで私を見てください。
「私はいつでも貴方に必要とされたいし、どんな柚瑠木さんでも受け入れます。」
私が事件に巻き込まれ時には、柚瑠木さんの顔が浮かびました。一番助けて欲しいと思った人も柚瑠木さんでした。少しでもあなたにも同じように思ってもらえたら私は嬉しいんです。
「月菜さんみたいに馬鹿正直なお人好しは初めて見ました。それじゃあ、僕が……」
私の頬に添えられていた柚瑠木さんの手がスッと顎に移動して、そのままお互いの吐息を感じるほどの距離に……今度こそ触れるのでしょうか、柚瑠木さん。
「僕が、このまま月菜さんの全てをくれるのなら貴女を信じると言ったら……月菜さんはどうしますか?」