蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~


「……私が、何でしょう?」

 もしかして私は、そんなに柚瑠木(ゆるぎ)さんを困らせるような事ばかり言っているんでしょうか?自覚の無い事とはいえ、柚瑠木さんを悩ませたいわけでは無いんですけれど……
 そんな風に「どうして分からないんだ」って顔をしないでください。ちゃんと言ってくれないと私は分かりません。

「ほら、月菜(つきな)さんにとってはこれは深い意味の無い言葉だったのですよね?だけど……」

 深い意味……ですか?私の言葉はそのままに意味なんですが、柚瑠木さんはいったい何を言いたいのでしょう?掴まれたままの腕を引っ張られて、耳元に柚瑠木さんの吐息を感じたかと思うと……

「これ以上、月菜さんに懐かれると僕は……本気で貴女を信頼したくなりそうなんです。」

 柚瑠木さんの言葉は、本当なんでしょうか?今まで私が何をしても何を言っても、彼は必要以上に自分のことはなかなか話してくれなかったのに……
 そんな彼が私の事を信頼したいと言ってくれたんです。

「……だったら信頼してください、私は柚瑠木さんの妻なんですから。」

 泣きたくなりそうなのをグッと堪えて、柚瑠木さんをを見つめます。きっと今が、お互いの関係をより良いものへと変えていくチャンスだと思うんです。だから……

「私は決して、柚瑠木さんの信頼を裏切るようなことはしないと約束します。」


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