蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
一番近い存在のはずの妻も信じられない、今がそんな夫婦関係なのならばこれから変えていきませんか?
私は柚瑠木さんの事を信頼していますし、貴方から信頼される存在にもなりたいんです。契約妻なのに、欲張りだと怒られてしまうかもしれませんけれど。
「……知りませんからね。後でやっぱり逃げたくなったと言っても、もう逃がしてあげませんから。」
「それじゃあ……!」
柚瑠木さんは大きく息を吐いた後で、私を見つめてそう言ってくれたんです。まさか本当に柚瑠木さんが私の事を認めてくれるなんて思いもしなかったので……嬉しくて。
「すぐに月菜さんを信頼するというのは難しいかもしれません、でもそうなるよう努力はしますから……だから、これくらいの事で泣かないでください。」
分かってます、私が泣き虫だって事は。でも本当に嬉しいんです、こうして柚瑠木さんが少しでも心を開いてくれようとしている事が。
「わ、私も柚瑠木さんに信頼してもらえるように頑張るので……遠慮なく頼ってください。」
両手をグーにして柚瑠木さんに気合のポーズを見せると、少しだけ微笑んでくれたような気がしました。
「じゃあ、今夜から僕と同じベッドで眠ってくれますか?月菜さんが魘される僕の事が本当に怖くなければ……ですが。」
「怖くないです、柚瑠木さんが眠れるように私が背中を撫でてあげてもいいですよ?」