蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「真面目で努力家。どんなことにでも一生懸命で……一緒に居ると前向きになれる人、だそうよ?」
紅茶のカップを持ちながら、その時の事を思い出したように微笑んで見せる香津美さん。ちょっとだけ信じられない気持ちもありましたが、その言葉が嬉しくて……
「本当に柚瑠木さんがそんな事を?彼が私と一緒に居ると前向きになれると言ってくださったんですか?」
「ええ、そうらしいわ。柚瑠木さんて月菜さんの事を話すときは凄く穏やかな顔をするのね、驚いちゃったわ。」
え?私はそんな顔を見せて貰ったことはありません。香津美さんや聖壱さんだけが柚瑠木さんのそんな顔を見れて羨ましいです!
そんな私の考えが香津美さんにバレてしまったようで……
「大丈夫よ、柚瑠木さんにそんな顔をさせているのは間違いなく月菜さんなんだから。近いうちに貴女も見れるわよ、きっと。」
香津美さんは美人でスタイルも良くて、私の事も気遣ってくれて……本当に素敵な女性です。もしかしたら香津美さんの様な女性の方が、柚瑠木さんは何でも話しやすいのではないでしょうか?
「そうでしょうか?私は小さなことでも、香津美さん達に嫉妬してしまっているようです。こんな心の狭い妻って嫌がられますよね……?」