蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「それって、もしかして柚瑠木さんも……?」
という事なのでしょうか?彼も私と同じように2人の距離を縮めて本当の夫婦になりたいと、望んでいると考えてもいいのですか?
「これは月菜さんの宿題にしておきましょうか?月菜さんが一人でゆっくり考えてもいいし、柚瑠木さんに思い切って聞いてみるのもいいかもしれないわね。」
そう言うとちょっとだけ意地悪な微笑みを見せる香津美さん。そんな表情も十分魅力的だなんて少し狡いじゃないですか。
「でもそんな事、柚瑠木さんにどうやって聞けば……?」
「そうねえ、例えば月菜さんが柚瑠木さんを……あら、もう帰ってきちゃったみたいね。」
玄関の開く音が聞こえて、聖壱さんと柚瑠木さんの足音が聞こえました。思っていたよりも随分早く帰って来られたようです。
「……まったく、柚瑠木が早く月菜さんの所に帰るって煩くて。もっと二人で話させてやれって言ったのに、聞かないんだ。」
「余計な事は言わない約束じゃなかったんですか、聖壱。お前は本当に仕事以外では信用できない幼馴染ですね。」
そう聖壱さんに文句を言いながらも、柚瑠木さんは当然のように私の隣に座ってくれました。今までは私がソファーに座っている時は彼は立っているか別の椅子を使用していたのに。
香津美さんの言う通り、私たちの距離は確実に近づいているようです。私からも柚瑠木さんからもお互いに歩み寄る事によって……