蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「そんなものは君がこの料理教室に通いたいと言った時から、調整し今日の分まで片付けておいたから問題ない。」
この男性はもの凄く相手の女性の事を愛していらっしゃるんですね、ちょっと過保護すぎる気もしますけど。
それでも私はこの女性が少しだけ羨ましかったりもします、私もこんな風に柚瑠木さんに気にしてもらえたら……
「私は匡介さんにそんなこと頼んでないですよね、そういう無理をするから余計に家に帰ってくるのが遅くなるんです!」
女性の方も多分嫌がっているのではなく、男性の事を心配していらっしゃるのではないでしょうか?自分のために無理するのを止めて欲しいのでしょう。
どちらも相手の事を想っているのに、空回りしているようにも見えますが。
「俺の事は気にしなくてもいいと、いつも言っているだろう?俺は杏凛の為ならば――――」
「そこまで気を使って頂かなくていいと言っているんです、期間限定の契約妻の私なんかに!」
期間限定の契約妻……?もしかしたらこの方達も私達と同じように契約結婚をされているのでしょうか?
二人の話の内容がとても気になりますがそんな事をいきなり聞くわけにもいかず、2人がビルの中へと入っていくのを見ている事しか出来ませんでした。