蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「あの、今日からこの料理教室に通う鏡谷 杏凛です。よろしくお願いします。」
私と香津美さんが調理台まで行くと、鏡谷さんは丁寧に挨拶をしてくれました。さっきまで旦那さんと言い合いしてのが恥ずかしいのか少しだけ頬を染めて……
「奇遇ね、私達も今日からなのよ。私の名前は狭山 香津美、こちらこそよろしくね。早く仲良くなりたいし杏凛さんと呼ばせていただくわ。」
杏凛さんの挨拶にすぐに返事を返したのは香津美さん、笑って右手を差し出すと杏凛さんは嬉しそうに彼女の手を握っていました。いいですね、私も早く杏凛さんと仲良くなりたいです!
「そうなんですか?ああ、やっぱり勇気を出してあの人から離れる時間を作ってよかったわ!」
離れる時間って、もしかして旦那さんからでしょうか?杏凛さん達も契約結婚だと言っていましたし、何か鏡谷さんの傍に居たくない理由があるのかもしれません。
でもあまり詮索するのも良くない気がして、私も自己紹介をする事にしました。
「あの……私も今日から通い始めた二階堂 月菜です。杏凛さん、私とも仲良くして頂けますか?」
「もちろんです。香津美さん、月菜さん……お願いです、これから私のお友達になってくれませんか?」
杏凛さんから真っ直ぐ見つめられてお願いされて……
ああ、私も今同じことを言おうと思っていたのですが杏凛さんに先を越されてしまいました。
「ええ、もちろんよ。こちらこそこれから仲良くしましょうね?」
「よろしくお願いします、杏凛さん。」
料理教室に通いだした途端、新しいお友達が出来るなんて……家に帰ったら柚瑠木さんにとても良いことがあったと報告出来そうです。