甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
「ええっ、なんですって!?」
驚きでつい大きな声を出してしまう。聖壱さんはそんな私の腰に腕を回してぐっと抱き寄せた。ちょっと待って、今この状況でそんな事をされてしまうと……!
彼の言動で一気に顔に熱が集まってしまい、きっと聖壱さんにもすぐにバレてしまうほど赤面してしまったと思うの。必死に両腕で顔を隠そうとするけれど、そんな私を見たがる聖壱さんに両腕を捕まえられてしまって……
「……よし、今度こそちゃんと理解出来たようだな?それに今の香津美の反応もまあまあ悪くない。」
何がまあまあ悪くない、よ!私にこんな恥ずかしい思いさせておいて。
両腕を伸ばして意地悪な聖壱さんから逃れようとするのに、ビクともしない。もう、本当に腹が立つわ!
「私の反応ばかり見てばかりいないで、自分はどう思っているのかを言わないの?そんなの狡いと思わないのかしら。」
そう言い返すと、その台詞を待ってましたとばかりに聖壱さんが嬉しそうに微笑んだ。
「俺か?俺は勿論さっさと契約結婚なんて解消して、香津美と本当の意味での夫婦になりたいに決まってるだろ?身も心も……今すぐにでも結ばれたい。」
最後の一言は耳元で色っぽく囁くように……そういう行為に慣れていない私には刺激が強くてクラクラしてしまいそうだった。
私の予想を裏切らない聖壱さんの甘い言葉に、心の芯からどうにかなってしまいそうで。
「……馬鹿。」