甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
契約の無い夫婦です
「何が優しくする、よ。聖壱さんが初心者にあそこまで手加減してくれないとは思わなかったわ。」
次の日の朝、私達はいつもとは違う場所で朝食をとっている。さすがに人気のホテルだけあって朝食も私の料理なんかとは比べ物にならないわ。
それにしても昨日は初めてだったのに、理性を飛ばした聖壱さんに好き勝手されて……体のあちこちが痛い。
「そうは言うけれど、香津美があそこまで煽らなければ俺だって……」
昨日の事は私が悪かったの?そんなはずないわ、だって私は何もかも聖壱さんに任せていたでしょう?それなのに……
「人の所為にしないでよ。罰としてしばらくお預けにしてやるんだから!」
「はあ?無茶を言うな、やっと解禁されたばかりなんだぞ!?」
これにはさすがに聖壱さんも納得できないとばかりに噛みついて来る。もちろん本気で言っているわけじゃないけれど、素直に謝らなかった聖壱さんが悪いんですからね?
「別に私は無くても困らないもの。」
これもちょっとだけ嘘。聖壱さんの逞しい腕に抱かれ触れられるのは決して悪くはなかった。むしろ……
「俺はすっごく困るんだ!香津美は俺の妻なんだから時には夫の意見に寄り添えよ!」
「そういう聖壱さんこそ妻の意見を尊重したらどうなのかしらね?」
好き放題言い合って、見つめ合って……いつかの夜を思い出して笑い合う。そういえば私達は出会った頃からこうだったわね。