甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
「そう言えば柚瑠木さんと月菜さんはどうなったかしらね……?」
最初にいたホテルに置いてきてしまった二人の事が気にならなかった訳じゃない。けれど聖壱さんの言う通り彼らの夫婦関係に口出ししにくいのも事実で。
「ああ、それならば香津美が眠っている間に電話が来て……二人で話し合った結果、このまま契約結婚を続けていくことになったそうだ。」
「……そうなのね。」
私の勝手な想像だけれど、月菜さんは柚瑠木さんの事を慕っているのではないかしら?あの事件の時あれほど怯えていた彼女だけれど、柚瑠木さんのために一生懸命だったもの。
結局その月菜さんの頑張りは柚瑠木さんには伝わらなかったのかもしれない。そう考えると少しだけ悲しい気持ちになるけれど……
「月菜さんはあんなに努力家なんだ。今は難しくてもいつかは柚瑠木の心を溶かしてくれると思うぞ?」
聖壱さんの言葉に私も納得したの。確かにあれだけ頑張り屋さんな月菜さんが隣に居れば、柚瑠木さんだって何か変わっていくかもしれないから。
「そうね、私は全力で月菜さんを応援するわ!」
「香津美が月菜さんのサポートをすれば、なお効果的かもな。」
いいわね、私はそうさせてもらおうかしら?だってあの二人、素直になればきっと上手くいくと思うんだもの。