甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~


 少しだけ会社の話をすると、お義父さんは親戚の家へと行かなければならないと帰って行った。今回の事件でかなりゴタゴタしているらしい。

「親父にきちんと香津美のことを話そうと思ったんだけどな……今はそれどころじゃないな。」

「結婚前に一度ちゃんと挨拶したじゃない、それじゃダメだったの?」

聖壱さんは私の何を話そうというのかしら?しかもこんな時に話さなければいけないような事なんて……

「俺が香津美との契約結婚を解消し、今度は真剣な気持ちで香津美との未来を見てるって事をきちんと話しておきたかったんだ。」

「聖壱さん……」

 嬉しかった、聖壱さんは二人のずっと先のことまで考えてくれているんだって。
 今まで私が見ることも出来なかった幸せな未来図を彼は私に見せてくれる。

「今回は話せなかったが、次こそきちんと話すから。何があっても俺を信じてついてきてくれるよな?」

 そうね、聖壱さんはSAYAMAカンパニーの次期社長。これから私達にはどんな困難が待っているのか分からない。
 それでも少しでも輝ける未来のために……

「ええ、離れてくれと頼まれたってって離れてなんてあげないわ。」

 この場所で、ずっとあなたと一緒に――――



     2020/11/08 花吹
< 125 / 126 >

この作品をシェア

pagetop