甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
契約と新婚生活


 普段誰かと同じベッドで眠る事のない私、だけど昨夜は違っていた。キングサイズのベッドで手を繋いで眠ったのよ、それも異性と。
 しかもその相手は契約結婚したばかりの夫なわけで……朝を迎えると、隣で寝息を立てている聖壱さんを起こさないように私はベッドから抜け出した。
 聖壱さんは本当に一晩中手を繋いだままで、私は手がしびれてつらかった。

 お手洗いを済ませてリビングのカーテンの隙間から外の景色を見る。目の前には屋上にへリポート付きのオフィスビル。となりはセレブ御用達の総合病院。

「今日はテナントを見に連れて行ってくれるとか言っていたわね……」

 聖壱さんの話だとテナントの中には高級な和菓子店や呉服店、それに寿司レストランなんかもあるらしいわ。
 聖壱さんは何かお目当ての品があるみたいだけれど……

 コーヒーを淹れてソファーに座る。今まで実家ではこういう事は家政婦にお願いしてきたのだけど……
 ここでのこれからの生活の事を、聖壱さんはどう考えているかしらね?あの人が料理や家事を出来るようには見えないし。
 私の下手な料理を食べさせるのも嫌だし、やはり誰かを雇うのが無難でしょうね。

 そんな事を考えてハウスキーパーさんのホームページを覗いてみたり。コロンとソファーに横になってスマホを見ているうちに瞼が重くなったいった。


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